
0〜1歳の間に、赤ちゃんはまるで毎日が“成長の記録”といえるほど、めざましいスピードで変化していきます。
「昨日できなかったことが、今日にはもうできている!」というような驚きや感動を、日々感じている方も多いのではないでしょうか。
そんなかけがえのない時期だからこそ、赤ちゃんの発達に合わせた関わり方がとても大切になってきます。
実は、赤ちゃんの発達は月齢によって特徴が大きく異なります。
新生児期と、1歳手前の赤ちゃんでは、できることも、必要なサポートの内容もまったく違うんです。
それぞれの時期に合った育児の基本を知っておくことで、より安心して、赤ちゃんと向き合えるようになりますよ。
この記事では、0〜1歳児の月齢ごとの発達の特徴と、それに応じた育児のポイントを、わかりやすくまとめてご紹介します。
赤ちゃんの成長をサポートするために大切なことを、ひとつずつ丁寧に解説していきますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

1. 新生児期(0〜1ヶ月)
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分の体を思い通りに動かすことができません。
手足をバタバタと動かしてはいますが、これは反射的な動きが中心で、意図して動いているわけではありません。
首もまだ座っておらず、常に頭を支えてあげる必要があります。
この時期の赤ちゃんは、外の世界の光や音、肌の感触など、すべてが初めての刺激。
そのため、大人が思っている以上に不安定で、敏感な状態でもあります。
そんな赤ちゃんにとって、パパやママの存在は“安心のよりどころ”です。
新生児期は、一日のほとんどを眠って過ごす時期ですが、目を開けたときに優しく声をかけてあげたり、抱きしめたりすることで、赤ちゃんの情緒も安定していきます。
• 抱っこはしっかりサポート:首が座っていない赤ちゃんは、頭がぐらぐらしてしまうため、抱っこをするときは必ず「首」と「頭」をしっかり支えてあげましょう。縦抱きよりも横抱きが安定しやすい時期です。
• 授乳のタイミング:新生児は2〜3時間ごとに授乳が必要です。母乳でもミルクでも、赤ちゃんが欲しがるタイミングでこまめに与えましょう。飲み方や満足そうな表情から、少しずつその子のリズムが見えてきますよ。
• 温かいスキンシップ:肌と肌のふれあいは、赤ちゃんにとって最高の安心感。沐浴後や授乳中など、意識してスキンシップの時間を持つことで、情緒の安定や親子の絆の形成につながります。
2. 乳児前期(1〜3ヶ月)
生後1〜3ヶ月ごろになると、赤ちゃんの体はぐんと成長し、動きにも少しずつ意志が感じられるようになります。
手足をバタバタと動かすだけでなく、だんだんと周囲のものに興味を示すようになり、視線を合わせたり、おもちゃをじっと見つめたりすることも増えてきます。
また、ママやパパの顔に笑いかけるような「社会的微笑」も見られるようになり、赤ちゃんとの関わりが一段と楽しく感じられる時期でもあります。
こうした変化は、視覚や聴覚、感情の発達が進んでいる証拠です。
この時期は、赤ちゃんとたくさん触れ合いながら、「見る・聞く・動かす・感じる」といった基本的な感覚を育てるような関わり方を意識してみましょう。
• 目と手の協調性を育てる:この時期の赤ちゃんは、自分の手をじっと見つめたり、動かしたりすることが増えてきます。カラフルなおもちゃを目の前で動かしたり、鏡で自分の顔を見せたりして、「見る→動かす→触れる」力を育てましょう。
• お腹の上での遊び(腹ばい遊び):短時間でOKなので、1日1〜2回は腹ばいにさせてみましょう。うつぶせの姿勢で首や背中の筋肉を使うことで、首すわりや寝返りへの準備になります。ご機嫌なタイミングで、無理のない範囲で始めてみてください。
• 声かけと表情の交流:赤ちゃんが笑顔を見せてくれるようになるこの時期は、たくさん話しかけたり、歌ってあげたりしましょう。笑いかける、目を合わせる、優しい声で語りかけるなど、感情のやりとりを大切にすると、赤ちゃんの情緒も安定していきます。

3. 乳児中期(4〜6ヶ月)
4〜6ヶ月ごろになると、赤ちゃんの身体はさらにしっかりしてきて、日々の成長をより実感できるようになります。
首がすわり、支えてあげれば座る姿勢を保てるようになったり、手で物をつかんで遊ぶことが増えてきたりと、自分の意思で動く範囲が広がっていく時期です。
また、寝返りを始める赤ちゃんも増えてきます。
ゴロンと回転したり、体をひねって反対側に移動しようとしたりと、どんどん好奇心が高まってくるのがこの頃です。
視線もはっきりと定まり、親の表情や動きをじっと観察するようになってきます。
発声も少しずつ豊かになり、「あー」「うー」などの喃語を声に出して楽しむ姿も見られます。
このような発達に合わせて、赤ちゃんとの関わり方や遊びの内容も少しずつ工夫していきましょう。
• 寝返りのサポート:寝返りができるようになると、行動範囲が広がり、周囲への関心も高まります。ただし、予期せぬ転倒や事故を防ぐためにも、ベッドや床周りは常に安全に整えておきましょう。クッション性のあるマットを敷いておくと安心です。
• 離乳食の準備:5〜6ヶ月頃になると、離乳食を始める準備が整ってきます。赤ちゃんが食べ物に興味を持ったり、よだれが増えたり、スプーンを口に入れても嫌がらなくなるなどのサインが見られたら、無理のない範囲で始めてみましょう。最初は「慣れること」が目的でOKです。
• 遊びの時間を増やす:音の出るおもちゃや、触って感触を楽しめる布のおもちゃなどで、五感を刺激してあげましょう。この時期は「自分でつかむ」「音に反応する」など、自発的な動きが増えてくるので、赤ちゃんの反応を見ながら遊びを一緒に楽しんでください。
4. 乳児後期(7〜9ヶ月)
7〜9ヶ月ごろになると、赤ちゃんはさらに自立した動きができるようになり、毎日の成長がますます活発になります。
この時期にはおすわりが安定し、はいはいを始める子も多く、移動できる範囲が一気に広がっていきます。
自分で動けるようになることで、赤ちゃんの好奇心はどんどん強まり、「あれはなに?」「これは触ってみたい!」という気持ちがぐっと高まる時期です。
指先の動きも細かくなってきて、小さな物をつまむような動作も見られるようになります。
また、周囲の言葉や音に反応し、「パパ」「ママ」といった音をまねして発音することも。
大人の言葉や表情をよく見て覚えようとする姿もあり、コミュニケーションが一段と楽しくなってくる頃です。
• 安全な環境づくり:はいはいで部屋中を自由に動き回るようになると、思わぬ事故のリスクが高まります。家具の角にはクッションを貼ったり、コンセントカバーを取り付けたりするなど、安全対策をしっかり行いましょう。赤ちゃんの目線で家の中を見直すと、新たな危険に気づけるかもしれません。
• 離乳食の進展:この時期になると、離乳食は1日2〜3回になり、少しずつ食べられる種類や量も増えてきます。赤ちゃんの様子を見ながら、舌ざわりやかたさの違う食材にチャレンジしていきましょう。手づかみ食べを始める子もいるので、汚れても大丈夫な環境を整えてあげると安心です。
• コミュニケーションを豊かに:赤ちゃんはママやパパの言葉を少しずつ理解し始めています。興味を持っているものに対して、「これはボールだよ」「赤いね〜」と話しかけることで、言葉の意味や感情表現を学んでいきます。赤ちゃんの反応に共感しながら、たくさん声をかけてあげましょう。

5. 乳児後期(10〜12ヶ月)
10〜12ヶ月になると、赤ちゃんはさらに自由に体を動かせるようになり、つかまり立ちや伝い歩き、そして一人歩きへと進んでいく子も出てきます。
このころには、全身の筋力やバランス感覚が大きく育ち、動きそのものに自信がついてくる時期です。
また、手先もかなり器用になり、小さなものを指でつまんだり、ページをめくったりと、細かい動作もできるようになってきます。
こうした変化は、赤ちゃんが自分の意思で物を操作し、「やりたい!」という気持ちがどんどん芽生えている証拠です。
言葉の理解も進み、パパやママが話す言葉の意味を少しずつ覚え始めます。
「ママ」「ワンワン」など簡単な単語をまねして話す子も出てきて、ますます赤ちゃんとのやりとりが楽しくなる時期です。
一方で、「自分でやりたい!」という気持ちが強くなる分、思い通りにいかないと泣いたり怒ったりする姿も見られるようになり、自己主張の第一歩が始まる時期でもあります。
• 歩行のサポート:赤ちゃんが歩き始めるころは、転びやすく不安定です。転倒してもケガをしにくいように、クッションマットを敷いたり、角のある家具を遠ざけたりして、安心して歩けるスペースを整えましょう。靴を選ぶ際は、足のサイズに合った柔らかいファーストシューズがおすすめです。
• 言葉の発達を促す:この時期は言葉を「話す」前に「理解する力」がぐんと伸びる時期。絵本を読みながら「これはくるまだね」「ワンワンいたね〜」などと声をかけてあげることで、語彙力や理解力が自然と育っていきます。テレビよりも、人とのやりとりが一番の言葉の教材です。
• 自己主張のサポート:赤ちゃんが「こうしたい」「これはイヤ」と感情をはっきり出すようになるのもこの時期の特徴です。全てを受け入れる必要はありませんが、まずは気持ちに共感して「◯◯したかったんだね」と声をかけてあげることで、赤ちゃんは安心し、自己肯定感が育ちます。
6. 全体を通してのポイント
親のケアも大切
ここまで赤ちゃんの成長や育児のポイントについてお伝えしてきましたが、もう一つ大切にしてほしいことがあります。
それは「ママやパパ自身の心と体をいたわること」です。
赤ちゃんのお世話は24時間体制で続き、睡眠不足や慣れないことの連続で、知らず知らずのうちに心も体も疲れてしまうことがあります。
「ちゃんとやらなきゃ」「もっとこうすべきかな」と自分を責めてしまう瞬間もあるかもしれません。
でも、育児に“完璧”なんてありません。
少し肩の力を抜いて、「今日は無事に一日過ごせたね」「泣いても抱っこできたからOK」と、自分自身にもやさしい言葉をかけてあげてくださいね。
頼れる人がいれば甘えても大丈夫ですし、ひとりで抱え込まず、地域の子育て支援や相談窓口を利用するのもとても良いことです。
ママ・パパが心にゆとりを持つことは、赤ちゃんにとっても何よりの安心材料になりますよ。
赤ちゃんの成長を楽しむ
0〜1歳の時期は、赤ちゃんができることが日々どんどん増えていく、本当に特別な時間です。
寝返りをした、笑った、つかまり立ちをした、名前を呼んだら振り返った…そんな一つひとつが大きな喜びであり、育児のやりがいを感じる瞬間でもあります。
もちろん、大変なこともたくさんあると思いますが、そのすべてが赤ちゃんとのかけがえのない思い出になっていきます。
焦らず、比べず、赤ちゃんのペースで過ごしていくことがいちばん大切です。
育児に正解はありませんが、愛情をもって接することこそが、どんな育児法よりも大切な“基本”です。
赤ちゃんと一緒に笑って、悩んで、成長していける、そんな日々を楽しんでいきましょう。
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